小麦の生産に関して、輸入小麦との競争だけではない。
パスタ、ビスケットなど小麦粉を原材料とした麺、お菓子などは小麦の高い関税率(八〇%)よりも格段に安い関税率で輸入されている。
明らかに国内の製粉メーカi、菓子類製造メーカーは輸入品との間で、不利な競争を強いられている。
一方的に麦の生産奨励と増産政策により、国内の製粉メーカーが経営難になっては食料の安定供給にもマイナスとなる。
麦の増産は、それさえ達成できれば良いわけではない。
何よりも輸入麦に比べても品質面で劣らない優れた麦の開発、そして生産コストの削減と値下げが急がれる。
それが実現されなければ麦の生産対策は失敗するだろう。
それは食料の自給率向上という農政の基本戦略に直結する深刻な問題となる。
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