「虫は、種類によっては発生を目で確認してからクスリをかけても何とかなる場合もある。
だけど、病気の菌は目に見えない。
見えるようになった時はもう、相当にやられているんだ。
だから消毒は絶対に欠かすわけにはいかない」
斑点落葉病のほかにも、りんごに害のある病気や虫は数多い。
今さんや石岡さんがいま、一番手を焼いているのが、腐らん病である。
人間でいえばガンに相当する病気で、幹や枝のキズや勇定の切り口、接木した場所などから病原菌が侵入して樹皮を腐らせる。
放置すると1~2年で樹をダメにしてしまううえ、冬でも胞子が飛ぶから年中感染する可能性のある恐ろしい病気だ。