高橋さんは、苦労をしていながらも、農薬使用をやめる気はないという。
「いいみかんを作るうえで、それが必要だからです。
以前、無農薬で作ったというみかんを見たことがあったけど、"これがみかんか"という感じでした。
品質向上のためには、我々はいろんなことをやってきたんです。
たとえば、摘果調整しなかった時分には、玉も小さかったし、黒点病なんかがついてる方が甘いといって、気にせずに出荷しても、とにかくみかんでさえあれば売れる時代もあった。
だけど、今はそんなことじゃダメです。
品質チェックが昔とは全然違うんですよ。
最近の消費者は外観にこだわり過ぎるようだけど、それなら、我々は誰にも負けない味で、外観も良いみかんを作って生き残ろうということです」