2015年4月アーカイブ

高橋さんは、苦労をしていながらも、農薬使用をやめる気はないという。

「いいみかんを作るうえで、それが必要だからです。

以前、無農薬で作ったというみかんを見たことがあったけど、"これがみかんか"という感じでした。

品質向上のためには、我々はいろんなことをやってきたんです。

たとえば、摘果調整しなかった時分には、玉も小さかったし、黒点病なんかがついてる方が甘いといって、気にせずに出荷しても、とにかくみかんでさえあれば売れる時代もあった。

だけど、今はそんなことじゃダメです。

品質チェックが昔とは全然違うんですよ。

最近の消費者は外観にこだわり過ぎるようだけど、それなら、我々は誰にも負けない味で、外観も良いみかんを作って生き残ろうということです」

与えられた時間 その2

建前だけを鵜呑みにして増産計画を立て、設備投資に踏み切った野菜生産者はバカを見るに決まっている。

もっと真剣に生産者のことを考えるべきだ。

むしろ今回のニセ表示食品問題で明らかになったように、産地表示の取り締まりを徹底するとか、産地の違いが品質面、食味でどのように違うのかを消費者に知らせる政策を強化すべきだろう。

そして生産と消費の実態を国民に知らせ、野菜などの食料自給率向上策については国民と共に考えて行く姿勢が必要だ。

現実から遊離した政策を建前だけから立案し、それによって政策目標を示しても信頼は得られない。

農政不信を招くだけだ。

2002年になって中国野菜の輸入量は農薬汚染騒ぎから減少に転じた。

問題は、この与えられた時間をどう生かすかである。

残留農薬検査
輸入は自由化されている。

鮮度を保つ技術が開発され、韓国、中国の沿岸部で栽培されるようになれば、たちまち脅威となる。

それはネギなどの輸入急増で実証ずみだ。

そうした中で野菜、食肉の自給率を向上させるというのであれば、それなりの戦略と対策が必要だ。

米国のようにグローバル化、国際化の流れにひるまないルール作りを試みる強い決意が必要だ。

しかも生産者が納得し、そうしたルール作りを信頼して、自給率向上対策に積極的に取り組んでいくような戦略がである。

そうした有効策がないのであれば、建前だけの自給率向上策は信頼されない。

失敗は目に見えている。

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